診療科・部門ご案内 Section
放射線部門
放射線部門について
放射線部門では、10人のスタッフで、13種類18装置を駆使し、検査を行っております。
日進月歩の医療の世界の中でも放射線部門は、特に進歩の速い分野です。そのような世界の変化に遅れぬよう、最新機器の更新、スタッフの技術の研鑽に、日々務めております。
検査内容
一般撮影装置
X線検査(レントゲン検査)は、X線が物質を透過する性質を利用し、透過したの物質への差を画像として表示します。それにより、臓器の位置や形、大きさ、病変の位置や形などを白黒濃淡の差としてみることが出来、病気等の異常の診断に役立てます。すべての一般撮影装置にFPD(Flat Panel Detector)を使用し、より被ばく線量を少なくし、検査時間も短くなりました。
乳房撮影装置
乳房を撮影するための特殊な装置です。「トモシンセシス」が可能な装置です。トモシンセシスとは、角度を変えて複数の方向から撮影し、収集したデータを3次元的に再構成して断層像を作成できる技術で、従来の2D撮影に比べて浸潤がんの検出率が平均41%増加し、偽陽性による要精検率が最大40%減少した事が臨床研究により報告されています。乳腺の重なりで見えなかった病変も、高精細な画像として描出されます。
第1X線TV装置(FPD)
胃透視などに代表される消化管造影検査を始め、泌尿器造影検査・整形外科領域の検査等に利用されています。また、全脊椎・全下肢撮影も行えるようになりました。
第2X線TV装置(FPD)
ERCP(内視鏡を使った胆道の検査)やBF(気管支鏡検査)等に使用されています。透視装置を組み合わせることにより、より安全な検査となっております。当院の透視装置は、検出器にFPDを用いており、少ない放射線できれいな画像を撮影することが出来るようになっております。
CT装置
CT検査では、全身の検査が可能であり、数ミリ単位の微細な病変を見つけることが可能です。当院は、64列マルチスライスCTを有しており、短い時間で一度に沢山の画像を撮影することが出来ます。また、心電図と同期させた心臓CT検査も可能です。
IVR-CT装置(腹部汎用)
血管連続撮影装置とCT装置が一体になったシステムです。
血管造影検査とは、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿入し、目的とする血管を撮影する検査です。IVR(Interventional Radiology)とは、この血管造影検査の技術を使い、血管の狭い部分を広げたり、血管が詰まっているところの開通、がんなどの悪性腫瘍に直接抗がん剤を送り込んだりする血管内治療のことを言います。
当院では、血管撮影装値(DSA)と高性能CTを組み合わせる事により、検査の安全性と効率が向上し、より超選択的手技の応用が可能となり、質の高い血管内治療を提供しております。
血管造影撮影装置(心カテ装置)
循環器内科による心筋梗塞、狭心症等の心臓のカテーテル検査、治療に使用されています。
当院では、FPDのバイプレーンシステム(2管球)を導入しており、一度に2方向の画像が確認できますので、検査時間の短縮、造影剤の使用量の低減、被ばく線量の低減など、患者さんに負担の少ない、やさしい検査を実現しています。
MRI(核磁気共鳴装置)
放射線を用いることなく、磁力と電波を使って検査を行いますので、被ばくを気にすることなく検査を受けていただくことが出来ます。当院のMRIは1.5T(テスラー)の超伝導磁石を内蔵しており、短時間で精度の高い検査を行うことができます。
※検査を行うにあたり、お着替えをしていただいております。また金属等持ち込み禁止を確実に行うために問診票への記載をお願いしております。
核医学装置
放射線を放出する微量の放射線医薬品を体内に注射すると、薬の性質により目的の臓器や病変に薬が集まります。その薬から出てくる微量の放射線を検出して画像化することで、臓器の病変の形や構造、代謝や機能を知ることが出来ます。
当院では、平成28年度にガンマカメラ装置にCT装置が備わったSPECT-CT装置を導入しました。これにより従来よりも診断精度が向上した画像を、CT画像と重ね合わせ、より情報量の多い画像を提供できるようになりました。
超音波装置(一般汎用および乳腺専用)
放射線科では他の診療科からの依頼で腹部・乳房・頚部エコーを放射線科医が行っています。
乳房エコーに関しては、最新の乳房専門超音波検査装置であるABUS(乳房用超音波画像診断装置)を導入し、患者様にやさしく、高精度な乳がん検診を行っています。
放射線治療装置
当院では頭部から下肢までの放射線治療を行っております。
放射線治療とは放射線を照射することで病気の細胞を死滅させる治療方法です。放射線治療は、正常組織を残して治療できるため、臓器の形や働きを温存することが出来ます。一回の治療時間は短く、治療そのものによる痛みもなく、外来通院での治療も可能です。また、体への負担が少ないため、手術が難しい高齢者の方にも優しい治療方法となっております。
当院では、簡易CT装置を装備した放射線治療装置を使用しており、ミリ単位の正確な位置決めが可能となっています。そのような、装置の高精度化や放射線治療技術の進歩により、頭頸部がんをはじめ、肺がん、食道がん、前立腺がんなどの根治的放射線治療への適応が急速に増えてきました。手術との組み合わせや化学療法との併用などにより、放射線治療の有用性はさらに高くなってきています。
骨密度測定装置
骨密度の測定方法には超音波を使用するものと、放射線を使用する方式のものがあります。日本骨粗鬆学会から出しているガイドラインでは、放射線での測定を推奨しています。
当院の装置は、放射線を使用した、DEXA法を用いた骨密度測定装置です。DEXA法とは強さが異なる2種類のX線を照射し、骨を通過する放射線量の違いを利用して骨密度を測定する方法です。骨粗鬆学会ガイドラインにそった、装置と撮影方法で、質の高い検査を提供しております。
ポータブル撮影装置
X線撮影室で検査出来ない患者さんを、手術室・救患室・病室等で撮影するための装置です。当院には3台のポータブル撮影装置を有し、受像系をFPDにしていますので、従来よりも少ない放射線量で、早くきれいな画像を得ることができます。患者さんに迅速で優しい検査を提供しています。
放射線技師(取得資格・認定資格)一覧
取得資格・認定資格 | 人数 |
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第1種放射線取扱主任者 | 1名(他試験合格2名) |
第2種放射線取扱主任者 | 4名 |
第1種作業環境測定士 | 1名 |
衛生工学衛生管理者 | 2名 |
X線CT認定技師 | 4名 |
放射線治療専門放射線技師 | 1名 |
放射線治療品質管理士 | 1名 |
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師 | 1名 |
血管撮影インターベンション専門診療放射線技師 | 1名 |
放射線機器管理士 | 1名 |
放射線管理士 | 1名 |
救急撮影認定技師 | 1名 |
医療情報技師 | 2名 |
診療放射線技師実習施設指導者 | 1名 |